工房の主宰・土田善太郎について


普通の七宝焼ではつまらない

「七宝焼」と聞くと、日本の伝統工芸といったイメージがあります。

「そのイメージが窮屈で、つまらないんだよね」と工房UncleZのあるじ、土田善太郎は語っています。

当初趣味として始めた七宝焼を、現在のスタイルまで高めました。

「昔ながらの七宝焼って言うと、表現方法が狭くなっちゃう。それが体質に合わないんだよね。」

「七宝焼を英訳すると”Enamel(エナメル)“となる。金属の板に、ガラス素材の釉薬をのせて焼きつけたもの。これが本来の意味なんだ。そう考えると、表現方法がひろがって面白いと思うんだよ。」

日本の伝統手法にこだわらず、自分がやりたいつくりたいと思うものを生み出し続けて、50年余。80歳を過ぎた今も、新しい作品のモチーフを探しています。

“UncleZ”(アンクル・ゼット = 善太郎おじさん)の素顔

福井県に生まれ育った善太郎は、大阪での貿易商社勤務時代に、七宝焼と出会いました。

趣味としての七宝教室に参加、そのまま兵庫県西宮市にて独立開業するまで、あっという間でした。

作家として抽象的な作品に取り組みつつ、ふくろう楽器などの、日常のなかで楽しめるような親しみやすいものをたくさん手がけています。また、お正月飾り雛人形こいのぼりなど、日本の四季折々の行事にあわせたデザインのものも、人気を得ています。

半世紀にわたり1人で独自の手法で作品をつくり続ける職人、と聞くと、がんこでちょっぴり近づきがたい印象を持つかもしれません。
が、実際に話してみるとそれはすぐに払拭されるでしょう。“UncleZ”(善太郎おじさん)のとおり、絵本から出てきたような茶目っ気たっぷりなオジサマ。 おしゃべり好き、お茶やお菓子が大好き。
不定期で開催している七宝体験教室では、「先生」「先生」と呼ばれ、親しまれています。

約800度に熱した電気炉にて、釉薬を焼きつける瞬間は今も悩むと言います。1回の焼きつけ時間はたったの1、2分。長すぎるとせっかくの色合いが損なわれてしまうからです。
「意識がある時までは、仕事し続けたいね。」 善太郎は今日も工房にて、作品を生み出し続けています。

略歴

1939(昭和14) 福井県に生まれる
1964(昭和39) 福井大学(工学部)卒業
1966(昭和41) 趣味として七宝を始める(独学)
1967~1996(昭和42~平成8) 工房UncleZ主宰。UncleZの独自の世界を展開。
その間、国際七宝展出展 優秀賞入賞等、大阪・京都を中心に数々の個展を開く。

メディア掲載

2014年1月 産経新聞 関西面のコラム【浪花ぐらし】にアンクル・ゼットのことを取り上げていただきました
2011年5月 神戸新聞にインタビュー記事が掲載されました!

近年の活動履歴

2015年9月親子展 土田善太郎(七宝焼) × 土田菜摘(イラストレーション) (東京 銀座ミレージャギャラリー)

2014年2月第19回 日本の美術 ~全国選抜作家展~(東京 上野の森美術館)

2011年9月土田善太郎個展「- 七宝展 -」(大阪・福島 LADS GALLERY)

2010年7月「土田善太郎 七宝・いろいろ・色々展」(大阪・福島 LADS GALLERY)

2007年12月「土田善太郎の世界展」(大丸神戸店7Fアートギャラリー)

2006年10月「土田善太郎の世界展」(東京・銀座 安藤七宝店2F)

2005年12月「土田善太郎の世界展」(大丸神戸店7Fアートギャラリー)

2004年3月兵庫県神戸市で個展

2003年10月大阪府豊中市で個展

2003年9月東京都(銀座)で個展

2003年5月兵庫県西宮市、西宮市民会館で講演会

2001年東京)日本橋高島屋百貨店(東京)、阪急百貨店(神戸)、大和百貨店(金沢)、福屋百貨店(広島)で展示即売。TV通信販売。

2000年三越百貨店(仙台)、大和百貨店(金沢)、福屋百貨店(広島)、O、Cat(大阪)、日本橋高島屋百貨店(東京)、そごう百貨店(大阪)で展示即売